TOP

Messerscumitt Bf109T-2
Lister,Norway,1944


MPM 1/48

byどんじ

●T型ってナニよ?
メッサーのT型というのは,当初艦載機として開発されながら,船の方が建造中止になって宙に浮いてしまったという経歴を持ちます。原型はE型で,外形的には翼を伸ばし,翼上面にはスポイラーを持ち,胴体下面には艦載機装備として着艦用のフックやカタパルト発進用のフックなどが取り付けられていました。またエンジンはDB601でもパワーブースターを持つ強化型でした。尾輪主脚も強化されていたと思われます。これらの艦載機型はT-1型と称されたようです。そして艦載機の計画中止に伴い,翼長はそのままで,陸上の運用に適した装備に改修され北部戦線や訓練部隊に配属された機体が少数あり、これらはT-2型と呼ばれていたようです。T-2型はさらにパワーブースターが強化され,そのためのハッチが増えたとも言われています。
これまでT型がほとんど認識されていなかったのは,100機に満たないと言われる生産数の少なさや,明確にT型を用いたと記された記録が公表されていなかったためと考えられます。たしかに,その少ない生産数において,当初T-1として完成した機体がどれくらいあるのか,逆にT-2のすべてがT-1からの改修だったのかなど,わからないことの方が多いのです。
先に述べたスポイラーにしても,それとわかる写真がありません。ただノルウェーでのルフトバッフェの行動を記録したサイトにアップされた写真に興味深いものがあります。ちょうどスポイラーがあるとされたあたりが,塗り直されたように暗く写っています。艦載機型から地上型に改修された機体だとすると,ブツを撤去した跡なのかもしれません。
このスポイラーの用途ですが,ドイツ機研究家の国江隆夫さんにお会いした際に伺ったところによりますと,文字通り『スポイルするためのもの』とのことです。艦上でタッチダウンする際に,スポイラーを立てることで揚力をスポイルし,ストンと機を沈めるのに使うそうです。それにしても強引な着艦です。メッサーのあの脚で,ホントにそんなことが出来たのか,心配になってしまいます,ね。
T型のまとまった資料としては,Sea Eagles という洋書が唯一と思われます。これは『艦載機』としてのT型の開発経緯を,実戦記録を含めてまとめた大冊で,図版や試験機,さらに前線でのスナップ写真が少なくない枚数で納められています。
この本で注目すべきは,派手な塗装のフォッケで有名なエーリッヒ・ホントがメッサーのT型にも乗っていたことが示されている点や,今回作製した『火の玉塗装』のT型の写真と撃墜記録でしょう。手に入りにくい本のようで,私も今回は知人のご厚意で借り受け,参考にすることが出来ました。
もうひとつ補足しますと,艦載機型でも,言われていたような翼折り畳み機構はなかったようです。

●空飛ぶ火の玉!
『火の玉』塗装というのは私が勝手にそう呼んでいるだけです(すみません)。機体上面は74/75と思われる迷彩塗装に,76または77でいわゆる蛇行状の洋上迷彩が施されています。
この迷彩に,まったく似つかわしくない『火の玉』が,おそらく赤で描かれています。胴体には敵味方識別の黄色の帯が入っており(私は翼端下面も黄色と考えました),1944年のものとしては,派手です。塗ってみて,遠目で見ると,赤い火の玉が特に浮き出て見えるような感じがしました。荒涼かつ単調に広がっているだろう北海沿岸上空を,この機体が飛んだなら,機首の赤い炎だけが目に飛び込みまるで火の玉が飛んでいるように見えるのでは?,それを見た連合国側のクルーはどう思ったか?...などと,また妄想がはじまってしまいました。それが別掲のストーリーです。


●簡易だが安易ではなさそ。
簡易コンテストヘの参加をきっかけに,買ったままほったらかしだったMPMの1/48のキットを改めて眺めてみました。私の手許にあったのは,当初販売されたものではなく,レジン製のエンジン,エンジン架,2体のフィギュア(パイロットとシュバルツメン)が追加されたバージョンでした。
おそらくハセガワかタミヤのデッドコピープラスアルファだろうと予測し,比較してみたところ,どうもそうでもない。かなりハセガワに近いようではありますが,主翼のハッチ類などに掘り直して位置を動かした跡もあり,簡易キットですが安易すぎでもなさげ(笑)でした。接着面などを研ぎ出すと,意外なほどきちんと合い,機首カウリングもほぼぴたりとはまって,むしろびっくりでした。
オールレジンのコクピット周りも,最低限の擦り合わせだけでタブがぴったり構成され,それがまたすっぽり胴内におさまり,これまたびっくりでした。キャノピーもていねいにやればぴたっと行くはずです(私の場合は作業が下手だったようです)。
ただもちろん,三翼のエッジはダルであり,また成形があいまいであるため,シャープさを追求し過ぎると,翼の弦長が足りなくなってしまいます。泣く泣くほどほどにしています。
今回はよせばいいのにエンジンも仕込むことにして,結果的にそこで時間を喰いました。仕上がりもまぁまぁと言ったところで,このへんは見切りが肝心ですね。

●贅沢しちゃいました。
うれしいことに,尾輪は,太めかつショックアブソーバのねじれ止めが追加されているという,強化型をちゃんと再現してありました(正確かどうかはわかりませんし,出来はトホホでしたが...)。そのくせ主脚はぞんざいな仕上がりなので,ハセガワの大昔の別売メタルを使いました(これは以前109Xにも使ったパーツです)。それからペラとハブ,スピナまわりはタミヤから持って来ました。タミヤのパーツはハブの彫刻が見事です。参考にした実機写真がそのあたりがパチッと写った写真なので,ここは贅沢でしたがキメたかったわけです。幸い,タミヤのスピナの後縁の径と,MPMのカウリングの前縁はほぼぴったりで,ラクできました。
もっとも,その写真を見れば見るほど,ペラもスピナも,通常のE型のものとは別のシロモノに見えて来るのもホントです...。

●塗り塗り塗り塗り。
マーキングは付属のデカールをトレースしてマスキングテープを切り出したり,市販のマスキングシートを使って吹き付けしました(黒の6番はがらんどうさんからお裾分けしてもらったタリホーのシートで)。デカールの余白を切りながら貼るのと,テープを切り刻みながら塗るので,私の場合はあんまり手間が変わらないので,最近は塗ることが増えています。今回デカールは尾翼回りに使用。
塗装は今回,ある大先輩から譲っていただいたモノグラムカラーを使ってみました。74/75/76の基本塗装に77の蛇行迷彩,すべて白の簡易型棒十字でスワスチカのみ白に黒,という末期的仕様。しかしラダーには44年としてはレアなスコアマークがあり。76のみ自前の調合でずっと前に作ったストック(グンゼ)で,あとはスケール的な配慮を少ししただけのモノグラム色。いままで納得できる調色が出来なかった74なんて,とっくの昔に,ひとつの解答がちゃんと出てたんですねぇ........。また77も絶品と思いました。クレオスの溶剤やクリアを併用しましたが,塗料の質的には,譲り受けた際にいただいたアドバイスにあった通り,やや粗めのマットに仕上がる傾向があるだけで,何のモンダイもありませんでした(私の場合,スミイレした際に,スミイレした部分だけでなく塗装面全般もいっしょになでながらふき取る/馴染ませるので,マットが強いくらいが助かるのでした)。

●お待たせしました。
1944年になっても一線で使われていた,不思議なT型。翼を伸ばしたことで,結果的に高空での機動が良好になり,妙に搭乗員には評判が良かったとか。遅れて評価された『名機』なのかもしれません。....ということとは関係なく,〆切りから遅れまくっての納品,たいへん恐縮でありました.....。Spl. thanks to : Master of MOONBASE for The book "Sea Eagles".

■ストーリー 氷上の炎(ほむら)

ストーリー 氷上の炎(ほむら)


どんじさんのHP

back

 


[PR]湘南美容外科で働きませんか?:全国19院。医師、看護師ほか募集中